金融あれこれ

神楽葵の金融あれこれ。某ヘッジファンド為替・先物ディーラー/アントプレナー/投資家/組織マネジメントコンサル

FXや株取引は期待値に収斂するのか?

こんばんは神楽です。

東京は雨が止んで、涼しい天気ですね。

私は明日から熱海へ旅行なので早寝したいところですが、東京グールの続きを読まないといけないのでまだまだ寝れそうにありません。次がreの3巻です。ふー。

 

さて、タイトルの「FXや株取引は期待値に収斂するのか?」ですね。

 

ファンドマネージャーをやっていると、FXや株の取引きは独立した確率事象なのに勝率から導かれる期待値は本当に正しいのか?という突っ込みをファンドのクライアントからいただくことがあります。

 

これに対する回答としては、

 

「独立した確率事象も何度も繰り返せば結果が期待値に収斂することが分かっており、これを大数の法則と呼びます。」

 

であります。つまり、期待値さえ適切に算出出来ていれば、別にマーチンゲールだってありなわけです。(ただし大数の法則が機能するよう莫大な運用資金が必要)

 

ただ、そんなことしなくても、リスクリターンのバランスがきちっととれている期待値プラスの運用を続けていれば、そんなマーチンなんてやる必要ありません。

 

勝率とリスクリワード。注目するのはこれだけです。

特にリスクリワードは重要で、これをしっかりコントロールしていれば大きく儲かることはなくても破産することはほとんどなくなります。

 

基本中の基本ですけどね。

個人投資家はここで大体失敗しています。

注意しましょう、リスクリワード。

 

 

株取引は本当にプラスサムゲームなのか?

神楽です。

FXや先物などのデリバティブゼロサムで、株はプラスサムゲームだとよく聞きます。

 

これは結論から言いますと、一部正解で一部不正解です。

 

確かにFXや先物ゼロサムゲームです。

つまり、儲かった人と損した人の損益を合算するとゼロになります。(実際には手数料分マイナスなのである意味マイナスサムですが)

 

一部間違っているのは、株のほうです。

そもそもなぜ株がプラスサムゲームと言われるか。非常に簡単です。

企業の成長に伴って発行株式数が増え、マネーの総量が増えるとバイホールドしている人全員が儲かるからです。あと配当金で勝手にお金が増えますよね。

このように参加者全員が儲かるゲームをプラスサムゲームと言います。

 

しかし、保有株式を売買した場合は、ゼロサムゲームになります。

なぜか?売り手がいて買い手が成り立つので、この取引のマネーの総量は変わらず、誰かが儲かったら誰かが損するわけです。

したがって、株は取引スタイルによって、プラスゲームとも言えるしゼロサムゲームとも言えるわけです。

 

もし、みんな儲かるプラスサムゲームに参加したいなら、長期的展望で株を保有し続けなければなりません。世の経済情勢はほぼ間違いなく成長していくので、儲かるのがいつになるかは不明ですが持ち続けているといつかは儲かる可能性が高いです。

とは言え個別銘柄だと倒産や上場廃止する可能性もゼロではありませんし、不祥事が起きれば一気に暴落しますよね。

 

だからインデックスを買うのです。

インデックスを持ち続けていれば間違いないでしょう。世界の時価総額の割合に応じて、各国インデックスを仕込めばいいんじゃないでしょうか。ていうか手堅いのはもうこれしかありません。

 

個別株なんてどうせヘッジファンドのイベントドリブンにむちゃくちゃされるので、インデックスを長期保有しておくのが間違いないですよ。

 

それではまた。